広島支部での後輩だった彼と久しぶりに再会した時の印象は、、
「なんて病んだ顔をしているんだ」
といったあまり良くないものでした。笑
青白く、どこかトロンとした目。
広島寮生として支部をサポートし、稽古・仕事を重ねる生活で何とか踏ん張っていた彼の顔はそれほど疲れ切っているように映りました。
”こいつは、、大丈夫か?”と心で思わされたものの、スタッフとして入寮してからはすぐに持ち前の明るさで、ムードメーカとして生徒を盛り上げ、日本を離れ厳しい稽古の日々を過ごす生徒達に笑いと輪を作り彼らの兄貴分になっていきました。
生徒を預かるという責任の掛かる立場で毎日稽古を重ね、フィリピンの空気にもエネルギーを貰ったのか彼の顔にもどんどん精気が蘇って来たように思います。
今回は生徒を指導する者としてプレッシャーのかかる、最終試合に臨みました。
禅道会の最高峰の大会であるリアルファイティングルールで行われ、入江先生はこれが初めてのRFルールの試合になります。
対戦相手は一回り体が大きく、総合格闘技のキャリアも長い強豪です。
試合開始!序盤から初めてのルールの影響か固くなってしまい相手が打撃でプレッシャーを掛け、タックルを仕掛けるも潰され、寝技で上を取られパンチを受け、それを凌ぎ続けると言った展開が続き、顔を腫らされます。ダメージを受けながら諦めず凌ぎ続け、必死に戦う入江先生に生徒達が入江コール!
そして見ていた観客もコールに乗り、50人を超える大入江コールで後押しします。
苦戦が続き、残り一分を切った所で相手の攻撃にカウンターを合わせ始め、
これから!といった所で無念のタイムアップ、、。
判定で敗れました。
今回の試合も余り口には出しませんでしたが(?)初めてのルール、初めてのメインイベント、今までは自分個人の試合から初めて誰かの先生として臨んだ試合で相当のプレッシャーだったと思います。
「怖かったっすわ、、。」と腫れた顔に少し安堵を浮かべ語っていました。
敗れたと言え嫌な事、怖い事に向かっていく姿勢は確実に生徒達に届いたと思います。
かつて支部に入門した時には「怖いんで試合したくないです。」と言っていた入江先生。
しかし言葉とは裏腹に試合から逃げず、勝ち負けを繰り返し今日に至り、本当に力を付けたと思わされました。
気持ちの出た良い試合でした。
これからどんどんと強くなってくれるでしょう!
今回の対抗戦は一勝四敗と言う結果になりましたが、
それぞれ良い内容でしたし、紙一重の展開でその逆も十分にあったと思います。
何より、頑張れば次なんとかなりそうだと言う事を生徒達自身が感じている事が良かったと思います。
受け手に臨んだ生徒達も次は試合をする生徒も出てくるでしょう。
頑張ってやり遂げた後はどんな結果でも、胸を張って良いと思います。
結果を恐れずそこに挑み続ける事が大事なのですから。
それでは、また三カ月後!!
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